この沢は特に前半にかけて岩石成分だか何だかで鮮やかな水色を誇る一方、ギリギリ東北に位置するため水温もキレッキレらしく、全員しっかり防寒装備で臨みました。
今時期にこんな沢を提案するのは例の如く私ビービです。付き合ってくれる皆さんに感謝。
入渓直後、キンキンに冷えた水に自分でもやや焦りを覚えます。
とはいえ滝の直下だったからなのか、この低水温は一時的なものであり、F1先ではいくらかマイルドになります。
結果的に雪渓ゼロだったこともあり、全体的にはほどほどの水温でした。
F1白水滝は水量ゆえ水線が広がっており、攻め辛そうだったため巻きました。
この高巻きですが、先頭の初級者2名が特に擦り合わせないまま別々の方向へ進み、片方は結果的にシビアな大高巻きをする羽目になりました。
当然のことながら、ルーファイは自分のためだけに行うのではなく、互いに状況を俯瞰しながら気を配り合わねばなりません。


その後、個人的に最も期待していたエメラルドグリーンの釜へ。
無事に水色バッチリの神秘的光景を拝めてホクホクしている自分をよそに、なんと他メンバーはこれをあっさり通過しようとします。
価値観の多様性が重視される世の中ではありますが、これに飛び込まないのは焼肉に行って炭水化物しか頼まないようなもの、流石に1400年前の鹿さん(後述)も草葉の陰で呆れていたと思います。

とはいえ、意外なことに寒がり筆頭のアオボーさんはその後しばしば気まぐれに泳ぎを選択し、寒がる素振りもありません。しかもまだウェットは3mm、色々防寒強化の余地を残しています。
ゲストのロッキーさんはともかく、過去最高の防寒装備を揃えたと豪語したわりにノー滝行ノーダイブのキュータさんとはえらい違いでした。これは水泳部耐寒番付の入れ替わりですね。


登攀については、アオボーさん持ち込みのカムが2ヵ所で活躍します。
ヒョングリ滝後6mと奥の二俣後15m(直登、核心)、いずれも紫(0.5番)がバッチリ効いていました。
岩が脆い点以外はいずれも特に難点のない滝だった…と言いたいところですが、久々に引っ張り出したサイズ過大気味フェルト靴(渓流)のビービは細かい立ち込みが全く通用せず、奥の二俣後15mで大苦戦。
トポ等で指摘されていたヌメりは結局大したことはなく、少なくとも今回はラバーで大正解でした。


奥の二俣後15m以降は緩傾斜ナメ滝ゾーンで標高を稼ぎ、最後に薄藪を少々越えたら登山道です。
この標高稼ぎがなかなかしんどく、拷問気分でした。あまり思い出したくないので、以上。





入渓9時、詰め上がり14時、下山15時15分。
ここから先は余談です。
麓の大黒屋の日帰り利用は15時までなので、一向は鹿の湯へ移動します。
鹿の湯は約1400年の歴史を誇る名湯であり、かつて傷ついた鹿さんが入浴しているのを猟師が見つけてうんぬんかんぬん。
男湯には41℃~44℃までが1℃ずつと、46℃、そして48℃、合計6つの温度別浴槽があります。
そのうち48℃の湯が本山行の裏核心でした。

