2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

「深南部」 これほど心が躍るキーワードがあるのだろうか…!南アルプスラブの私は、この山行を待ち侘びていました。

山行計画を立ててくださったドラポケさんには大感謝です。今回のメインは黒法師岳。1日では到達できない奥深い山で、私のイメージは燻銀。しびれます、最高。

 しかし、南はアクセスがほんとーに悪い。この日も金曜夜出発で寸又峡温泉へ。

タイミング悪く、東名高速道路は一車線規制…寸又峡温泉町営駐車場に着いたのはなんと3時をまわっていました。運転してくださったドラポケさんに大感謝です。(2回目)さっそく駐車場に幕営し仮眠をとり、7時半に出発。

南アルプスだけあって、水場の心配はまずなく荷物も比較的軽いはずなのですが…。私は寒くて寝られないというのを回避したく(親分ごめんなさい)、冬用のシュラフを持参。結果、共同装備はジェントルマンのお二人が持ってくれ、私はただザックが大きいだけの自己中山女となっていました。反省…。

【1日目】 

1日目のルートは、沢口山〜天水〜八丁段〜山犬段避難小屋。 最初に目指すは寸又三山の沢口山です。寸又峡温泉街のカモシカ像の脇を通り、登山口へ。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

最初の尾根に登るのが急登なだけで、山頂までは比較的緩やかなコース。道もしっかりあり、寸又三山だけあって気持ちいいハイキングコースです。途中、鹿のヌタ場脇に巨木のミズナラが現れます。迫力満点で、山の素晴らしさを改めて実感。そこからもう少し頑張れば、山頂に到着です。南アルプスの山々が見え、テンションもあがります!

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

お次に目指すは、天水。比較的なだらかな尾根歩きですが、さすが南アルプス。やっぱりアップダウンもちゃんとあります。だらだら歩きではなく、変化を楽しめるのも魅力ですね。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

そしてここ天水からは、明日明後日に歩くであろう山々がぐるっと見渡せます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

黒法師岳、前黒法師岳、丸盆岳…。かっこいい景色に圧倒されます…が、あそこを歩けるのだろうかと少し心配な気持ちもちょびっと。でも、もう後戻りはできません。自分を心の中でこっそり励まして、山犬段へ向かいます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

板取山山頂を過ぎると、何やら植物や木の幹にネットのようなものがかけられています。それもそのはず、この辺りは静岡大学の演習林になっているそう。きちんとナンバリングされていて、興味深いものが見られました。山の中の実習は大変だね、と話しながら足を進めます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

板取山を下ると林道があり、この林道沿いを歩けば山犬段へ着きます。が!私たちは頑張って八丁段も登ることに。1日目で一番こたえたのが、ここの急登。のっしり、のっしり登り切ります。頑張って登ったかいもあり、展望場からはキラキラ光る海も見えました。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

山から海が見えるってすてきですよね。ご褒美をもらった気分です。そんなこんなで14:15に山犬段へ到着、行動時間は約7時間でした。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

さて到着したら、酒盛り開始です。山犬段の避難小屋はトイレットペーパー付のトイレ有、テーブル有、コンロ台有、座椅子有!思わず「ここはコテージ?」と叫びたくなるような有難さです。

一段落したら、水汲みに向かいます。林道が2本あるのですが、蕎麦粒山方面でない林道を10分ほど下ると水場です。(私たちは最初間違った林道を下ってしまった)何とか日が暮れる前に水汲みをも完了です。

今晩のメニューはポテトサラダとカレー。カレーにはスパイスをちょっと入れすぎてしまいました…。反省。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

この日の避難小屋利用者は、私たちパーティーとソロのおば様のみ。(このおば様、歩くのがめちゃくちゃ速かった…!)外にはソロキャンパーと2人組キャンパーがいました。どうやらゲージを突破?できるみたいです。三連休ということもあり、もう少し混んでいると思ったのですが、思いのほか利用者の方は少なかったよう。

おば様は既に就寝しているし、外のキャンパーの方々もとても静かなので、ひそひそ声で話し、8時には就寝することに。明日に備えます。(しかし、冬用シュラフを持ってきた自己中山女は暑すぎて何度も目を覚ます羽目に…とほほ)

【2日目】

4時半起床。ドラポケさん作のおいしーいうどんを味わい、薄暗い中をいざ出発!避難小屋の外には新しい車が一台、車内には2人の方が。話しかけていただいたのでお話をしていると、どうやら地元の山岳会の方々で、登山道の手入れをしにきたそう。

地元に愛されてる山々なんですねぇ。そのお方のお話だと房小山までは踏み跡があるから歩きやすいとの情報。手入れをしてくださる方々がいるこそだなぁ、と思いつつお礼を言って蕎麦粒山へ!

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

蕎麦粒山までは緩やかな道。あと少しで山頂というところで日の出が見えました。何とも美しい〜…。山に来てよかった…、改めて綺麗な景色に感謝です。少し長く休憩したいところですが、何せこの日は時間がない!先に進みます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

この先の高塚山は人気のある山らしく、踏み跡がしっかりついています。そしてここ辺りから小さい笹がわさわさと。笹の朝露に濡れて登山靴もぴかぴかに。三合山に到着すると、なんとなーく人の気配が薄くなります。鹿や狸かな?動物のフンもたくさん確認できます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

千石平に到着すると何やら古いコンクリートの建物が。怖すぎて近づきもしませんでしたが、調べてみると昔はトイレだったそう。今でこそ、あまり人が行かない山ですが、かつては人気のコースだったのだとか…。

千石平を過ぎると、急登です。出たなー、南アルプス!と思いながら元気よく登ります。が…ここはやせ尾根+左右は崖のよう。崖マークが何故ついていない、と思うほどの斜面です。多分滑落したら止まらない、と思いましたが、左右を一切見ずに何とか登ります。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

ここをクリアすると鋸山に到着です。この尾根は鋸尾根というそう。ギザギザしていて、ちょっぴり怖いけど楽しい尾根でした。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

ここまでの間、4人パーティーとソロのお方、2組とすれ違います。逆ルートから来たのでしょう。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

鋸山を過ぎたら次に目指すは房小山。笹がもふもふしていて、遠くで見るととっても可愛いお山です。踏み跡はあるものの、先ほどよりは薄く、人の気配を感じません。そして獣臭が所々でしてきます。いよいよ深南部の入り口か?!とわくわくしながら足を進めますが、雲が厚くなってきました。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

12時を過ぎるとポツポツと降り始めましたが、まだまだ小雨。しかも、房小山を過ぎると笹藪と木々が立ち並ぶエリア。雨なんて感じさせませんし、逆に湿っている感じが南アルプスをより一層味わえる気分でした。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

あちこちにヌタ場と獣道があり、笹藪も背が高くなり、人の踏み跡なんてありません。動物エリアに、人間がお邪魔になっている感覚です。そして、先ほどより獣くさい。今回この辺りが1番の獣を私達に感じさせました。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

しばらくすると2000m最南端の標識が。よく気付く人がいたものだねと言いつつ足を進めると…ついにバラ谷の頭に到着!!!!!長かった…ようで短かった?思ったより早めに着き一安心です。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

天気が良いと眺望も素晴らしいのでしょうが…ガスってます。真っ白です。標識からまっすぐ笹藪の踏み跡があったので覗いてみると…断崖絶壁。ひぇ〜と思いつつ、この横を下るの?!と急に不安に。ぎゃーぎゃー喚きながら、雨でぬかるんだ急斜面を降ります。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

この3日間、ここが1番の苦行でした。あっという間に100m下がります。もっと修行します。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

何とか降り切ると、水場の看板が!!ザックをおろして給水タイムです。斜面を降りるとすぐに沢の音が聞こえ、5分ほどで辿り着けます。水、最高!!

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

少し進み本日の幕営地バラ黒に到着。時間は15時10分、2日目の行動時間は9時間。10時間以上を覚悟していたので、ほっと一安心です。でももたもたしてる暇はありません…、雨風が強くなってきたので慌ただしく幕営。テントに入れたときは、ほっとしました。

なんやかんやしていると、私たちを警戒していたのか、早速鹿の鳴き声。鹿さん、少しお邪魔させていただきます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

この日の晩御飯はドラポケさん作のトマト鍋。しかもペニ缶肉入り!疲れた後のお肉がしみます…。この日で宿泊も最後ですので、持ってきたお酒を飲み干せる日。

ヒマラーさんは梅酒+美酢をブレンドしたオリジナルカクテル。(さっぱりしておいしい!)ドラポケさんは、バーボンにドライフルーツのレモンを入れたもの。(おしゃれすぎて痺れます、そして美味しい)私はいも焼酎お湯割り。それぞれのお酒を交換しつつ楽しんだところで就寝、明日はいよいよ黒法師岳です!(夜中は雨風が凄かった、とのことでしたが、自己中山女はあったかシュラフのおかげで一回も目を覚まさず熟睡できました むふふ)


【3日目】

朝4時半起床。目が覚めると、雨風は少しおさまってきたよう。ほっと一安心です。

スキムミルクとグラノーラを食べ、テントを片し、6時20分には出発できました。今日は帰るだけ…と思いきや、なんせ行動時間が長すぎる!!早起きをして、早く出発できてよかったです。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

外はもうほとんど雨はやんでいて、白い世界です。白い霧の中にぼわあっと太陽の光が。とても幻想的で素敵な景色を見ることができました。霧の南アルプスも痺れます!!

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

黒法師岳が見えないのでコンパスで位置を確認して足を進めます。黒法師岳の登りが始まると高い藪が!でも、黒バラの地点より人間の踏み跡がしっかりあったので、良いペースでぬかるむ藪道をえっさほいさ登り、山頂に到着!3日目にして黒法師岳に到着です。ここの三角点は「×」印になっていて、「+」でない珍しい三角点マークらしい。

雨は止んだけれど、雲がかかって今いち…。少し粘って空がはれるのを待ちましたが、諦めて足を進めることに。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

1812m辺りで空もすっかり晴れて気持ちの良い天気だったので「もう少し粘れば!」と少し後悔…。でも振り返ってみる黒法師岳もとってもかっこよくて、私はこの1812mの藪が今回の一番のお気に入り地点でした♪

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

お次に目指すのは「前黒法師岳」。アップダウンしながらもまずは、ヘリポートを目指します。何となく踏み跡があるような道で、止まるたびにコンパスを確認しました。

30秒前にヘリポートの方向を確認したのに、(確か)1776m辺りで私は南の支尾根を降りていました。東に向かうはずなのに…。すぐに声をかけてもらったので良かったのですが、「早くヘリポートに!」という私の焦りの気持ちもあり、ダメダメなミスです。
うーん、地図読み、頑張ります…。

広いところでは踏み跡もなく、方向だけを頼りに進みます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

ヘリポートに着いたら休憩です。ぽかぽかで日当たりがよく、すごく良いテント場!林道を下れば水場もあるそうなので、余裕があったら丸盆岳もコースに入れ、ヘリポートで一泊、なんかも良いなあと妄想がふくらみます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

ここで山と高原地図を確認すると、このヘリポートから寸又峡温泉まではコースタイム7時間20分。ぎょっとします。そんなに…歩けるかなあ、明日仕事だなあ、などと頭の中で下界のことがちらっとよぎります。でもまだ前黒法師岳があります、邪念を払って、出発です。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

ピークを一つ越え、いよいよ前黒法師岳が目の前に!ここは、本当に「南アルプス」感が満載。苔むした地面、もみの木々、木の香り、とっても素敵で私は深呼吸をしながら、がしがし登れました。

今までの疲れなんて全部ふっとびます。この道が終わるのがもったいないと思うほど、素敵な空間。「あー、頑張ってよかった。」と心の底から思った瞬間でもあります。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

山頂に着くと南アルプスの木の看板。ここも沢口山同様、寸又三山。しかし、寸又峡温泉から登るのは結構ハードなコースで、私は心が折れてしまいそうです。

少し長い休憩をとり、いよいよ下山です。3日間にわたる山歩きもいよいよ終盤。ちょびっと寂しい気持ちもありますが、日が暮れたら大変なので、どんどん進みます。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

前黒法師岳から寸又峡温泉までは、特に開けた場所もなく、下りが続きます。途中イワカガミの群生地を通ります。花が咲く時期はとても綺麗なのでしょう!でも、目を引く場所はここだけ。とにかく下りです。

2日目にすれ違った2組は、ここを登ってきたはず。よくここを登れるなぁとびっくり…心が折れます。ヤマレコを見ていると、寸又峡温泉〜前黒法師岳〜黒法師岳〜山犬段〜寸又峡温泉を2日間で縦走してしまう人も。仙人ですか…。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

長い下りが終わると林道に出ます。この林道は10分ほど歩くと飛竜橋に続いています。途中、水がジャバジャバ出ていて給水タイム!東京へのお土産をゲットです。また、この林道ではキツネとカモシカも!キツネはこちらをじっと観察していて、とても可愛かったです。

2020.11.21-23 黒法師岳(尾根歩き)

寸又峡温泉に着くと15時15分。この日の行動時間は9時間でした。ふぅー、3日間よく歩きました!

怪我した後の初めての泊まり山行でしたので、不安な気持ちがいっぱいでしたが、お二人の大先輩のおかげで無理なく、とても楽しく過ごすことができました!

お二人には大感謝です(涙)

今度の泊まり山行では、共同装備を持てる山女を目指して、これからも精進します。

おわり

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