【感想】

▪️タカテツ(記)

お盆休みを使っての東北への沢旅は、心配していた天気も計画日に近づくにつれて良くなり、有難くも4日間ほぼ快晴。

初日の夜は朝まで雨が降ったものの、ほぼ平水でコンディションは良好。トンボが多かったのも助かった。

透き通った豊富な水が流れる葛根田川は、やさしい滝と綺麗な淵の連続。大深沢は少し水が冷たかった。


葛根田大滝手前で二人組の釣り人とすれ違ったが、沢ではそれ以外に人と逢わず、贅沢な貸切り。
遡行中そこらじゅうで足元を魚が走る。ヒマラーさんは手掴みしようと四つん這いでイワナと格闘。お互い必死。。
淵を覗けば良型が何匹も見える。みんな足を止めては竿を出したそう。でも野営地まではと我慢の様子。

念のためにザイルを出して登った箇所と下降した箇所は数か所。いくつかの巻きは、ある程度明瞭で問題なかった。

予想していたよりも時間がかかってしまう所は無く、危なそうと思う所では話し合ってルートを共有してから順調に進む。

遡行、生活での作業も、分担してスムーズにこなして流石。全体的に時間に余裕をもって行動が出来た。

焚き火を囲んで頂く美味しい晩メシには岩魚も追加され、山の命も一緒にいただく。

沢の水を飲み、山の恵みを身体に入れて、みんな山と一緒になっていた。

夜は満天の星空と人工衛星がビュンビュン。

詰めはコンパス無しでは進む方向が分からない背丈よりも高い濃厚な笹薮を、時速1キロで2時間以上進む。マジっすか。。マジみたいっす。・・・ですよねー。。。

かき分けても向かってくる笹で顔は傷だらけ&尋常でない笹ボコリで鼻の奥も喉も埃だらけ。でもこれも含めて沢の楽しみ。


詰め上げた大深山荘で一晩お世話になり、翌朝大深岳と現太ヶ岳の稜線からは、東北ならではの穏やかな山容の景色は見ごたえありの絶景。朝の空気も気持ちいい。 関東と違い植林なんてモンはもちろん無くて自然のド真ん中って感じ。
山荘下の水場の水も旨かった。重い手製の水ひしゃくもカッコよかった。水汲みついでに頭から水をかぶってサッパリするメンバーも。
下山した松川温泉はメチャメチャいい湯。本格的にサッパリ。贅沢な秘湯でした。

東北の沢よかったわぁ~。仲間にも感謝。来年はまた別の東北の沢に行けたらと思います。


▪️ヒビチャ(記)

2023年のお盆に大雨で行けなかった葛根田川、去年も線状降水帯の大雨で東北の沢は行けなかった。
今年は海の日の連休から梅雨の終わりのような前線がきて雨が続いていたので悩ましかったけれど、
ついに天気が好転して、2年ぶりの東北の沢へ行くとができた。

<1日目>
滝ノ上温泉の駐車場に着いたのは10時頃。葛根田地熱発電所の横を通り過ぎ林道歩く事1時間、葛根田川に入渓。のっけから青緑の透き通った水の流れ、東北の沢に来たぞと胸が高鳴る。美しい淵やナメが続いて自然に足が止まって見惚れてしまう。お函という淵でザックを下ろして泳いだ。頭から胴体から思い思いに飛び込みスイスイ流れにのって泳ぐ、水は冷たくて熱った体が一気に冷める。
20mの大滝の高巻き以外は困難な所もなく、メンバーの足並みも揃っていたせいもあって(予定では17時頃になりそうと思っていたが)、15時過ぎにビバーク地の滝ノ俣沢出合いに到着した。


タープを張って焚き火の準備をしたら、各々しごとに勤しむ。
そしてアオボーさんが釣りへ、早速岩魚2匹釣り上げた。ウタコさんの調理で5人で分けて頂いた。
身がふわふわでうまい!自然の恵みに感謝(合掌)
晩飯は、茄子の丸焼き生姜醤油、お肉たっぷりのルーローハン。お米は翌日の朝の分も一緒に5合炊いた。
お腹いっぱい、焚き火もよく燃えて至福。ゴロンと横になって満点の星空を眺める。お酒も後二晩の配分を考えて程々にタープに引き上げる。
夜中は雨が降り出してタープを打つ音に目が時々目を覚まし、明日はどうなるのかとなかなか寝付けない。


<2日目>
朝は雨が少し残っていて、沢は少し増水して濁っていた。
タープの下で朝ごはん。昨日のルーローハンの残り汁のスープ、鮭と梅干しのお茶漬け。
予定通り7時に出発、遡行しているうちに晴れてきたし、水量も多くなく子滝が次々と出てきて面白くなってくる。
途中、岩魚の滝登り、ノネズミが沢に飛び込み泳いで渡渉、目撃。
源流部は枝沢が入り乱れて迷いそうと思っていたが、割とすんなり大場谷地湿原に出た。
青空と草地、風が気持ちがいい!湿原の先の森に入ったらひっそりと佇む八瀬森山荘(避難小屋)に到着、小屋に入って小休止。


八瀬森山荘から大深山荘方面に登山道を少し歩いて行くと湿原に続く明瞭な踏み跡があってたどっていくと下降する沢筋へ導かれた。藪漕ぎもなく次第に水量も多くなりきれいナメになった。魚影も見えて心が躍る。

関東沢の出合いについて休憩、ここ数年流行りの素麺ランチ。素麺担当のAさんは小ネギ持参で余念がない。沢で洗った素麺は格別だ。食前と食後に少し釣りをしたが坊主。岩魚は見えるのに釣れない。

その後の下降は1箇所、ロープ出して懸垂気味に降りる所があっただけで、1時間半程で大深沢・北ノ俣沢出合いに15時前に到着。


前回と同じ場所にタープを貼り焚き火の準備をしたら、ヒマラーさんのお茶が入ったよの掛け声、夫々お菓子を出し合ってティーパーティー。(お酒じゃなくても)お茶も美味しいね。

その後、3人は各々釣り場へ。小一時間、坊主で戻ってくる。魚は取れないので、変わりにミズを採っておかずの足しにしたかったが見当たらず無念。

今夜の食当はウタコさん、おつまみのポテサラ、ピクルスが入っててうまい
椎茸丸焼きと春雨丼。食べ終わって焚き火とお酒でまったりしていたら、タカテツがおもむろに仕掛けの準備を始めた。毛鉤に糸が通らないから誰かやってくれと。しかし老眼なのでアオボーさんしかいない。期待通りすんなり糸を通して(若いっていいな)、後ろの出合の淵でタカテツが竿を振った。しばらくすると何と1匹釣り上げるではないか!!(すぐそこに岩魚いたのね)タカテツさんより他の4人が歓声をあげて大はしゃぎ。すぐにウタコさんが捌いて塩を振り焚き火の網の上に放り込む。ちょうどよい熾火になっていて、直ぐにこんがり焼けた。皆んなで1口ずつ齧った、身がふわふわでうまい!自然の恵みとタカテツさんに感謝(合掌)

今晩も焚き火の前で横になり満点の星を眺めた。

なで1口ずつ齧った、身がふわふわでうまい!自然の恵みとTさんに感謝(合掌)

今晩も焚き火の前で横になり満点の星を眺めた。

<3日目>
夜中は冷え込んでシュラフカバーと上下のダウンでは寒かった。
日の出前にガタガタ震えながらタープから出たらタカテツさんが火を起こしてくれていて温まる。
ウタコさん食当の朝ごはんは、ヒジキの煮物に炊き立てのご飯に乗せて、味噌汁。

7時に遡行出発して1時間ほどでナイアガラに到着。水量もあり大迫力!
お約束の滝行、ものすごい滝の圧力を頭から受けて、たまった穢れを洗い流せた(と思う)。
今回ナイアガラの登りは、前回(真ん中)、前々回(左側の滝の右側)と異なり、左側の滝の左側の斜めに入ったクラックの所を慎重に登る。今までで一番登りやすかったかも。

ナイアガラの上からはひたすらナメの連続、木々の葉っぱが反射して緑色の美しいナメだ。
でも注意、たまに穴がぽっかり空いて深みの落とし穴になっている。アオボーさんが急に消えて穴の深みに落ちていた。気をつけてね。
次第に水量が少なくなって急登の岩登りになりどんどん標高を上げる。
原頭部、だんだん藪になり、左は笹藪、右側の湿原に出て草原を登って行く。周りはぐるりと笹藪と森で人が入ってこれない秘密の湿原だ。この湿原の端まで行って、いよいよ笹藪に突入する。藪漕ぎ開始だ。
2m位の笹藪に時どき木(ツガ?)が現れて厄介だ。
先頭メンバー入れ替えながら全員で藪漕ぎすること2時間、大深山荘付近の登山道に出た。


大深山荘は誰もいない、建て替えしたのか前回よりトイレとか綺麗になっている気がする。
荷物を下ろして装備解除していると、女性4人のパーティーが来た。今回2組目の人の遭遇。
秋田の方で話をしていると、大深沢は十字峡から東ノ俣沢の遡行が藪漕ぎがなくておすすめだそう。
鳥海山の沢もおすすめだとか。地元の方の情報はありがたい。次回行ってみよう。

喉はカラカラ、早速、湿原の水場へ水汲みに行った。小岩井農場と彫ってある銀色の重い柄杓でゴクゴク飲む。あゝ美味しい!誰かさんが日本一美味しい水と言っていたな。ついでに体も拭てサッパリ。
テラスでウタコさんのティーパーティー。1杯目は卵スープ(あゝ沁みる)。2杯目はスパイスティー。
引き続き宴会スタート。お酒は残り少ないからチビリチビリ。
最後の晩餐担当は私。美味しい水でお米を炊いて、アマノフーズ丼と味噌汁。
明日は下山、3時起き−5出発で、星空が出てきたところで早めに小屋に引き上げる。


<4日目>
まだ真っ暗な中起きて、テラスで半月が明るい星空の下で朝ごはん。
担当はAさんで、卵と乾燥野菜、炭火焼き鳥の雑炊。朝からボリュームある。東空が次第に明けてきてオレンジ色に染まってくる。今日も晴れそうだ。
5時に出発。早朝は涼しくて快適。太陽が登って大深岳→源太ヶ岳は大パノラマ、下界は雲海、山々が見渡せる。
正面にドーンと岩手山、その後ろの遠くに(おそらく)早池峰山が雲海の上に浮かんで見えた。下の方に松川温泉の煙がもくもく上がっている。その横に葛根田沢の尾根の三ツ石山、あの向こう側から歩いて来んだなと感慨深い。反対の北の方は八幡平のなだらかな山が広がって、その向こうにうっすらとチョンと見えるのは岩木山?、雲海に黒い島のように浮かぶのは八甲田山?親分達が入っている和賀山塊はどれだろうか、広域地図を誰も持っておらず悔やまれる。
山行が終わってしまうのは寂しいけれど、松川温泉の白濁したお湯に入るいのが楽しみ、下山開始。
3日もお風呂に入っていない体で大変申し訳ないが、朝一番風呂の温泉に入って疲れを癒した。
朝一バスの出発まで風呂上がりのビールで乾杯!朝ビールは最高!

盛岡駅前のいつもの焼肉屋(初めての大深沢で連れてってもらって以来定番の)で反省会。
今回の山行を振り返る、4日間天気に恵まれて計画通りに(想像以上に)沢の醍醐味を楽しめたことを、お肉と共に噛み締め、スイカがのった盛岡冷麺で〆、お盆の沢は終了した。


今回のルートは2級の沢、総じて、登攀的に困難な箇所がなく、美しい滝、淵、ナメ、ゴルジュと沢の全て揃えている、東北ならではの山深い沢を満喫できた。
私は2年目の初心者で初めて連れてってもらって今回が3回目。
初心者でも楽しめるお盆のロング沢だ。
何度も行きたい沢です。

おわり。

カテゴリー: 2025年